私的な温泉旅のページ

法隆殿

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●法隆殿
 平成元年(1989年)に建て替えられ、本館の玄関正面、東側の山の斜面に建つ、二階の空中廊下で繋がるそれは本館より一層分以上に高く、木造二階建てだが山の傾斜に沿って迫り上って奥は三階分の高さになる。
 自分が初めてこの宿を訪れたのが、平成に入ってから間もない1990年で、法隆殿二階の南西角部屋に宿泊した。
まだ築二年だった為か木の香りがそこ彼処に漂っており、開口部も木製の建具で、壁も本漆喰で新建材を廃した普請を行っていることに感心したし、宿泊した部屋から見える本館と浴棟の屋根を見た時、檜皮(杉皮?)で葺かれていた事に驚いた。
平成元年当時は屋根は葺き直した直後で真新しい状態であったが、25年以上経過した現在屋根はそれなりに苔も自生し周囲の自然環境に馴染んでいるのを確認できた。
兎も角この宿の立地は周囲に何も無いことや自然環境の良さも魅力で、それを理解した上で自然に負担をかけない建物を作り環境を守る為の努力は惜しまないという強い意志を感じたし、その志しは温泉と共に守り通して欲しいと切に願う。