私的な温泉旅のページ

沓掛温泉満山荘

Kutukakeonse_Manzanzou

長野県小県郡青木村大字沓掛

●「沓掛温泉」満山荘
 2016年「おもとや旅館」を引き継ぎ「沓掛温泉満山荘」として歩み始める。
気になる宿なので早速、同年10月に訪れた。

 この宿の立地は夫神岳、西側山麓の集落の一角にあり、また「沓掛温泉共同浴場」の近くであり傾斜地の高台である為、西側に広がる里山が望める場所に宿は建つ。
秋の沓掛集落に馴染んだ佇まいは、この温泉旅館が良い形で受け継がれたと感じた。
 建物の外観はほぼ当初と変わらないが、外壁は土壁風の黄土色に塗り替えられ、開口部に縦格子を設けたり主要な建具は茶褐色の色に整え改修してあった。
また、館内のインテリアについては奥山田時代から在った家具のコレクションを生かしつつ、爽やかなラウンジや食事処のセンスの良い作り込みは「満山荘」らしさが素直に再現されていると感じた。

 先ずは今回利用した客室について記すと、元は和室の八帖+縁側の部屋は和洋室に軽改修を施しベッド2据とデザインチェアが置かれ、庭木越しに田園風景が望める。
又もう一つ利用した客室は高低差のある続き部屋で、ベッド2据を備えた和洋室と、約12畳の和室が付随し、家族やグループでの宿泊に適した部屋であった。

 次に温泉いついて記すと、源泉は共同浴場と同様に(低張性アルカリ性温泉)39℃弱のアルカリ性単純硫黄温泉、及び35℃弱のアルカリ性単純温泉の二つの源泉を使用しているとの事。
風呂は本館とは別棟の浴室棟にあり、西側に隣接するが傾斜地の為、玄関フロアより一階層降りた位置にあるが見晴らしは良い。
男女入れ替えで、2つの室内浴室と半露天風呂をそなえる。
室内風呂は「おもとや」当時の面影を大切にして、半露天風呂については手が入れられ現代風に改修してあった。
現在新たに露天風呂が設置され更に進化している。

 最後に食事についてだが、食事処「風土」も満山荘らしい落ち着いた雰囲気に作り込まれていた。料理も地元野菜を生かした創作料理を提供するスタイルは変わっていないが上品さが増していて、でもいままで同様に温かいものは温かいままというコンセプトは変わらず給仕されるので、美味しくいただける。
窓の景色が北アルプス遠望から沓掛の里山風景へ模様替えした満山荘であった。