○家族風呂
はじめに気になった「家族風呂」だが、その場所は「仙郷亭」の一階にあり、山際に作られている。大きさとしては家庭的なサイズで、少し広めの脱衣室と浴室には浴槽が二つ、そしてシャワールームを別に備える。脱衣室にはタオルも備わり、身一つで利用できる。
またこの浴室は当初、洗場と楕円の湯船が一つで、山と建物の隙間に小さな坪庭が作られいて、浴室と脱衣室には縦長の洒落た窓から坪庭を眺める設であったが、自分が訪れた時は窓や壁が撤去され坪庭に寝湯の出来る浴槽が作られ、脱衣室側もウッドデッキになっおり、そして上部の軒先には透明パネルで塞いで室内化されていた。
そして最近2018年06月に訪れた時に気がついたのが、楕円の浴室に有ったカランやシャワーが外され、また山側の寝湯のウッドデッキがなくなり黒色のテラゾウのベンチに作り変えられ、その右隣に洗場としてのシャワーコーナーが新たに作られていた。じつはこのベンチを見た時に、この家族風呂の本当の主旨がわかった気がしたのだが、其れは身体が不自由な人にも使い易く、介助の事も考えた人に優しい浴室を目指していた事にである。その事を踏まえた上で細部を見ると、床はフラットで開扉だがなんとか車椅子が通れる幅で、しかし身障者設備の定義とは差違があ為”身障者設備は無し”と公表しているのだと思う。しかし身体の不自由な人でも安全に入浴できて心身共に癒せる浴室を目指している事はたしかである。
そしてもう一点この家族風呂に隣接する男女別のトイレだが、少し大きめの開き扉ではあるけれど、室内は身障者トイレを意識した広さがあり優雅で快適な設であった。