私的な温泉旅のページ

仙仁温泉
「花仙庵・岩の湯」

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長野県須坂市大字仁礼

 仙仁温泉花仙庵「岩の湯」は長野市内から国道406号線を菅平方面に進むと20km程の距離にあり、また上信越自動車道路の須坂市長野東インターからは山際の道を東に進むと国道406号に合流するのでインターからは10km程の距離にある。
当初2000年頃より幾度か予約を試みたが、予約が取れない宿との噂は本当であった。

 私がこの宿を初めて訪れたのは2016年6月で、縁あって知人達との集まりで宿の離れを押さえてもらい、初の宿泊となった。その日は自車にて移動し海野宿を観光した後、菅平を経て宿を目指した。
補足として鉄道では長野電鉄長野線の須坂駅が最寄りの駅だが、宿の送迎サービスは無いので須坂駅からは路線バスか、タクシーで向かう事になる。
因みに岩の湯の駐車場は木立の中にあるので目立たない、奥まったところに茶褐色の木製看板は有るが、道沿いの杉皮塀が目印になるので、周辺に近づいたらゆったり上品な入場をお勧めする。


 岩ノ湯の駐車場の周囲は木々に囲われており、初めての来訪だと宿はどの方向にあるのかは解りづらいが、通常チェックインの時間帯は宿のスタッフが出迎えてくれる。
木漏れ日が苔を照らす園路を歩めば、程良く緑に囲まれた四阿や待合門が現れる。
その門には宿の主人の詩だろうか「あゆみ入りて ふるさとの 小さき庵に つきぬ」と記された銘板が掛けられている。
 暖簾が掛かるこの門をくぐり仙仁川の橋を渡ると、「花仙庵・岩の湯」は木々の緑を纏い姿を現した。
玄関へのアプローチは木立間を抜け壁に囲われた軒先の暗がりの中へ進み入る。
ここまでは茶室とか高級料亭の佇まいなので、慣れないとそれなりに緊張感があるが、風除室の突き当たりに「日本秘湯を守る会」の見慣れた提灯に安心感を抱きつつ角格子の玄関を潜ると、高い天井の玄関ホワイエに辿り着く。
受付けカウンターで記帳を済ませると、隣の待合ラウンジに通される(此処で記帳する場合もある)そこで季節ごとの和菓子と抹茶でもてなしを受ける。
気持ちが一息ついた頃、視線を外へ向けると木々の緑を背景にテラス席があり、その先には鯉が遊ぶ池と、庭の奥へ園路とパーゴラが続く。