私的な温泉旅のページ

黒部峡谷の温泉

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富山県 黒部市 宇奈月温泉(宇奈月町 裏山)

黒部峡谷の温泉を巡る

 宇奈月温泉/黒薙温泉/鐘釣温泉/名剣温泉/祖母谷温泉は、北アルプスの中央を流れ日本海に注ぐ黒部川に点在する。
元々(黒薙/釣鐘/祖母谷)は古くより知られており、黒薙源泉は1645年に発見され、1868年に正式に開湯されるが訪れる人は限られた、大正時代の中期「黒部川電源開発」が始動したことで多くの人に知られることとなる。
 宇奈月は電源開発の基地の役目を担いながら、黒薙源泉より引湯する事で富山県の一大温泉地を目指すことが決まり、大正12年(1923年)には富山地方鉄道が宇奈月に到達し、木管による引き湯ルートも完成し、温泉町として産声を上げた。
(宇奈月温泉のHP参照)昭和に入り町も順調に発展するが、昭和21年宇奈月大火により全戸全焼するも寄附金や、臨時の復興処置等により順調に町も息を吹き返す。
昭和28年、宇奈月→欅平まで黒部峡谷鉄道(トロッコルート)が敷設されると、電源開発も本格化する。
昭和31年「黒部第四発電所着工」、そして宇奈月が開湯40周年にあたる昭和33年「大町ルート開通」により工事にも拍車がかかり、昭和38年(1963年)黒部第四発電所「黒部ダム」がついに竣工を迎えた。
その後、昭和46年観光ルートとして「黒部立山アルペンルート開通」、宇奈月温泉でも昭和54年(1979年)黒薙源泉からの引湯管が合成樹脂パイプに引き換えられた事で、雪害等の堅牢性が確保され冬季でも温泉の供給が安定化した。
 電源開発では大町ルートと、宇奈月からのトロッコルートが一体となり施設建設の兵站を支え今もメンテナンスで活躍しているが、観光ルートととしては大町ルートが組み込まれたアルペンートと、宇奈月からのトロッコルートとは別の観光地として現在は分離しているが、2025年頃に管理ルートが観光ルートとして解放される。
 温泉に話を戻そう。今回のテーマは黒部峡谷の温泉なので、アルペンートの室堂に隣接する「みくりが池温泉」は除外し、今回(2009年7月)訪れた宇奈月温泉「延楽」と、黒部峡谷鉄道全線のほぼ1/3の距離にある黒薙駅より徒歩約30分の「黒薙温泉」そして終点の欅平駅より徒歩約20分の「名剣温泉」の三箇所に焦点を当てる。因みに名剣温泉は上流の祖母谷源泉より引湯している。