群馬県 吾妻郡 草津町 大字 草津
★「山本館」温泉旅館デビュー の宿
幼少の頃、初めて温泉旅館に宿泊したのは1966年、草津温泉「山本館」であった。この頃の記憶は曖昧であったが、1982年に再び宿泊した事で記憶が補完された。
望楼付き木造三階建、大正時代の建築だと聞いたが、常に手入れが施されている様で、16年ぶりの宿泊であったが、居心地の良い和室であったことを覚えている。
時は流れ2014年に湯畑界隈へ訪れた時も変わらぬ姿で凛としてそこに建っており、老舗旅館の底力を感じた。
温泉デビューの頃の浴室の印象は、普段通う銭湯より狭いとか、お湯に匂いのあるとか、その程度の認識であったと思う。
宿の方に、ここのお湯は「白旗源泉」であることは後に聞いたが。
まあ幼少期の当時は旅館内や湯畑界隈の探検に興味が集中していたのだろう、散策三昧であった。その代わり二度目の宿泊の時に宿周辺の景色や匂いなどで当時を思い出したし、浴室が地下にあったことも無意識下の記憶に残っていた。
ネットもデジカメも無い時代、ましてや日記は書かないし宿や浴室の写真は撮らないのが当たり前で、料理についてもお品書きは無かったと思うし、当時の料理の内容は分からないが品目数も多く豪華であったろう、しかし子供が喜ぶメニューではなかったと思う。
(今は大好物なのだが)
幼少期の思い出を振り返りつつ山本館の印象を改めてまとめさせてもらうと。
湯宿は「湯+衣食+休」が具現化した物、草津の地で生まれ湯守と旅人が育んだそれは華美でなく慎ましさと質実剛健さを内包する。そんな山本館は自分にとって湯宿と向き合う「THE ORIGIN」の場所で在る。